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SDWANって何だろう

SDWANって何だろう

はじめまして、ネットワークエンジニアをやっております。 ネットワークエンジニアといいつつ、最近はクラウドばかりなので、 機器のラッキングやLAN配線作業が恋しいです。

さてSDWANについて書いてみたいと思います。 Software Defined WANの略で、そのまま理解するとソフトウェアで管理するWANということです。

具体的にどんなものなのということなんですが、例えばCiscoMerakiシリーズ。 VPN接続ができるUTMからSwitch、無線APなどいろいろ出ていますが、 どれも簡単な初期設定を済ませてインターネットに繋いでしまえば、 クラウドのコンソールで詳細設定をして、運用管理までできる、というものです。

製品として販売されているもの以外にも、NTTやKDDIソフトバンクなどの通信キャリアから回線とセットで提供されている、マネージドWANといったものもSDWANのひとつです。

いままでのネットワーク製品は、ハードウェア(体)とOS(頭)が一緒にあって、それぞれを管理するという形態だったのですが、SDWANでは体と頭が分離して、拠点には体だけ、頭はクラウドに、という形態で構成されています。

SDWANのメリットを考えてみます。

【SDWANのメリット】

・設定が楽
・管理が楽
・運用が楽

とにかく運用・管理面で非常に楽になります。難しいコマンドでの設定は不要ですし、 WEB画面を見ればどんな機能が使えるのか大体把握することができます。トラフィックモニターやアラーム通知機能もついていたりするので、個別の運用システムの用意も不要になります。とにかく楽。ITベンダーに高額な費用を払ってお願いしていた作業も、数クリックで設定できてしまう。

一方でデメリットはどうでしょうか。

【SDWANのデメリット】

・既存システムとの総入れ替えが必要
・機器、ベンダーの統一が必要
・回線系サービスの場合、国によって費用が異なる
・使用できない国がある

同一ベンダーの機器やシステムに統一する必要があるので、少しずつシフトしていく、という方法ができません。できるかもしれないですが、SDWANの恩恵が得られない。一斉更新となると初期費用が跳ね上がりますので、SDWANへの移行タイミングというのが悩みのポイントです。結果的にベンダーロックインということになりますので、サービス選定には慎重にならなくてはいけません。そして、SDWANコントローラ部分はクラウドサービスなので、グローバルで構築する場合は利用できる地域に制約があること、国によって費用が変わるため、全体のコストが上がってしまう可能性があること、というのがデメリットとして挙げられます。

■まとめ

SDWANというのはネットワーク管理をクラウド化したものなんですが、導入してしまえばあとは運用管理のコストも削減でき、非常に魅力的なものです。しかしながらどの製品を選ぶかというポイントにおいて、既存環境との兼ね合いや移行のしやすさなど、専門的な知識が必要になってきます。良いものだけれど、手を出しにくい。まだそんな印象がありますが、数年後はSDWANが当たり前になっているんだろうな、と思っています。すべてのデバイスがインターネット接続されるようになればWANっていう考えもなくなるんだろうな。